家の一部だけ売ることはできる?土地の分筆や持分売却の方法と注意点

query_builder 2026/10/25 土地 売買

敷地が広くて管理しきれない、使っていない庭や畑だけを手放したい。そんなときに考えられるのが、家の一部だけを売る方法です。土地の一部であれば、分筆という手続きをして売ることができます。一方で、一戸建ての建物の一部だけを売ることは、原則として難しいのが実情です。この記事では、「家の一部」を売る方法の種類と手続きの流れ、売る前に確認したい法律や税金の注意点を解説します。飯山市周辺の広い敷地ならではの注意点もあわせてご紹介します。

なのはな不動産
ロゴ
契約過程では法的なリスクを避けるために書類の作成や条件交渉を行い、双方にとって公正な不動産取引が成立するよう長野で支援いたします。また、購入後の登記手続きや税務に関するアドバイスも提供しております。
なのはな不動産
住所:

〒389-2253

長野県飯山市飯山1387-5

電話番号:
0269-67-0947

家の一部売却の可能性とは?

「家の一部を売る」といっても、売るものが土地なのか、建物なのか、権利なのかによって、できるかどうかや手続きが大きく変わります。まずは、どのような方法があるのかを整理しましょう。

「家の一部」を売る3つの方法

家の一部を売る方法は、おもに次の3つです。

■土地の一部を売る(分筆して売る)
庭や空き地、畑など、敷地の一部を切り分けて売る方法です。登記上1つの土地(1筆)の一部を売るには、先に「分筆登記」をして、売る部分を別の土地として登記する必要があります。家の一部を売る方法としては、最も現実的な方法です。

■建物の一部を売る
一戸建ての一部屋や片側だけを売ることは、原則として難しいのが実情です。建物の一部を独立して売るには、その部分が壁などで区切られ、専用の出入口があるなど、構造上も利用上も独立している必要があります。そのうえで「区分建物」として登記しなければなりません。玄関や水回りが完全に分かれた二世帯住宅などに限られます。

なお、敷地に母屋とは別の建物(離れや倉庫など)がある場合は、その建物が建っている部分の土地を分筆して、建物と一緒に売る方法もあります。

■共有持分を売る
兄弟や夫婦で共有している家の場合、自分の持分だけを売ることもできます。ただし、持分だけを買う人は限られ、価格は相場より大きく下がるのが一般的です。

分筆して売るときに確認したい条件

分筆は登記の手続きで、分筆そのものに自治体の許可は必要ありません。ただし、分筆して売るまでには、いくつか確認しておきたい条件があります。

まず、分筆するには土地の境界をはっきりさせる必要があります。測量のときに、隣の土地の所有者に立ち会ってもらい、境界を確認するのが一般的です。

次に、分筆したあとの土地の条件です。自宅が建っている土地は、分筆したあとも建築基準法の決まりを満たしている必要があります。都市計画区域内では、建物の敷地が道路に2m以上接している必要があり、敷地が狭くなることで建ぺい率や容積率の上限を超えてしまうこともあります。また、売る部分が道路に接していないと、買主が家を建てられず、買い手が見つかりにくくなります。

売る部分の地目が田や畑の場合は、農地法の許可が必要です。農業委員会に相談しましょう。住宅ローンが残っていて、土地全体に抵当権が付いている場合は、売る部分の抵当権を外してもらうために金融機関の同意が必要です。造成工事を伴うなど、規模や内容によっては都市計画法の開発許可が必要になることもあります。

どの条件が当てはまるかは土地ごとに違うため、不動産会社や土地家屋調査士に早めに相談しましょう。

家の一部を売却するメリットとデメリット

家の一部を売却することで得られるメリットと、注意しなければならないデメリットがあります。この章では、売却を検討する際に知っておくべきポイントについて整理しています。

家の一部を売るメリット

家の一部を売る大きなメリットは、住み慣れた家に住み続けながら、まとまった資金を得られることです。家全体を売って引っ越す場合に比べて、生活への影響を小さく抑えられます。

また、使っていない庭や畑を手放すことで、草刈りなどの管理の手間が減り、売った部分の固定資産税もかからなくなります。

特に飯山市周辺では、昔からの広い敷地や、家の横に畑が付いた住宅も多くあります。住まいとして必要な部分を残し、使っていない部分だけを手放すことで、毎年の負担を軽くすることができます。

家の一部を売るデメリットと注意点

一方で、家の一部を売る場合には、家全体を売る場合にはない手間がかかります。境界を確定する測量や分筆登記を、土地家屋調査士に依頼する必要があり、その費用がかかります。隣の土地の所有者との立ち会いの調整も含めると、数か月かかることもあります。

また、分筆の仕方によっては、残る土地の価値や使い勝手が下がることがあります。敷地が狭くなったり、形がいびつになったりすると、将来自宅を売るときや建て替えるときに不利になることがあります。売る部分についても、形が細長い、道路に接していないといった土地は、買い手が見つかりにくくなります。

さらに、売った土地に家が建つと、買主とは隣人として付き合いが続きます。日当たりや視線、屋根からの落雪などをめぐって、新たな気遣いが必要になることもあります。

どこで線を引くかによって、残る土地と売る土地の両方の価値が変わります。不動産会社や土地家屋調査士と相談しながら決めましょう。

家の一部売却の具体的なステップ

実際に売却を考えた場合、具体的にどのようなステップを踏むべきかを解説します。準備段階から契約までの流れを知って、スムーズに手続きを進めましょう。

初期準備として必要な情報収集

家の一部を売ろうと考えたら、まず法務局で資料を取り寄せ、土地の状況を確認しましょう。登記事項証明書では、所有者や面積、地目、抵当権の有無が分かります。公図では、土地のおおまかな形や隣の土地との並びが、地積測量図では、土地の形や長さ、境界の位置が分かります。古い土地では、地積測量図がない場合もあります。

あわせて、固定資産税の納税通知書で、土地ごとの評価額や税額も確認しておきましょう。

次に、現地で境界標(境界の目印)があるかを確認します。飯山市周辺では、冬は雪で境界標が見えなくなるため、現地の確認や測量は雪のない時期に行えるよう計画しておくと安心です。

土地の一部を売るまでの流れ

土地の一部を分筆して売る場合の、一般的な流れは次のとおりです。

1. 不動産会社に相談する:売りたい部分と残したい部分を伝え、売れそうな価格の目安や、分筆の線の引き方を相談します。
2. 土地家屋調査士に測量を依頼する:境界を確定する測量を行います。隣の土地の所有者に立ち会ってもらい、境界を確認します。
3. 分筆登記をする:売る部分を別の土地として登記します。
4. 売り出す:不動産会社と媒介契約を結び、買主を探します。
5. 売買契約と引き渡し:買主が決まったら売買契約を結び、代金の受け取りと名義の変更を行います。

住宅ローンが残っている場合は、売り出す前に、金融機関に抵当権の扱いを相談しておきましょう。買主が見つかってから分筆を進める方法もあるため、どの順番で進めるかは不動産会社とよく相談して決めましょう。

よくあるご相談の例

家の一部を売ることについて、よくあるご相談の例を2つご紹介します。内容は一般的なケースをもとに構成したもので、実際の進め方は土地や建物の状況によって変わります。

相談例1:自宅の横の畑だった土地を売りたいケース

70代の夫婦。飯山市内の自宅の横に、親の代から使ってきた畑があります。高齢になって耕作をやめ、草刈りの負担も大きくなってきたため、畑だった部分だけを売りたいと考えています。

このようなケースでは、まず登記事項証明書で、売りたい部分の地目と、自宅と同じ1筆の土地かどうかを確認します。地目が畑のままであれば、売るには農地法の許可が必要になるため、飯山市農業委員会に相談します。自宅と同じ1筆の土地であれば、測量をして分筆する必要があります。

また、自宅側の敷地には、冬に屋根から下ろした雪や除雪した雪を置く場所が必要です。売る部分を決めるときは、雪の置き場や駐車場が残るかどうかも確認しておきましょう。

相談例2:二世帯住宅の片方だけを売りたいケース

60代の女性。親と暮らしていた二世帯住宅の、親世帯の部分が空いたため、その部分だけを売りたいと考えています。

このようなケースでは、まず建物の登記がどうなっているかを確認します。二世帯住宅でも、1つの建物として登記されている場合は、親世帯の部分だけを売ることはできません。玄関や水回りが完全に分かれていて、構造上も利用上も独立している場合は、区分建物として登記し直すことで、片方だけを売れる可能性があります。ただし、区分建物にするには登記の手続きが必要で、敷地の権利をどう分けるかも決めなければなりません。

一部だけを売るのが難しい場合は、親世帯の部分を賃貸に出す方法や、家全体を売って住み替える方法も含めて比べてみましょう。

法律的な側面で知っておくべきこと

家の一部を売却するという行為には、法律的な側面からも様々な制約が存在します。この章では、特に重要な法律的なポイントをわかりやすく解説します。

知っておくべき不動産関連法

家の一部を売るときには、いくつかの法律が関わります。土地を分ける分筆登記や、建物を区分建物にする登記の手続きは、不動産登記法で定められています。

建物の敷地が道路に接していることや、建ぺい率・容積率の上限などは、建築基準法で定められています。分筆したあとの、残る土地と売る土地の両方で、この決まりを満たしているかが大切です。このほか、用途地域や開発許可は都市計画法で、田や畑を農業以外の目的で売ったり使ったりするときの許可は農地法で定められています。

税金にも注意が必要です。売って利益が出た場合は、その利益に所得税と住民税がかかり、翌年に確定申告をします。また、自宅を売ったときに利益から最大3,000万円を差し引ける特例は、住宅と一緒にその敷地を売る場合が対象です。自宅の敷地の一部だけを売る場合は、原則としてこの特例を使えません。売る前に、手元にいくら残るかを税理士や税務署に確認しておきましょう。

契約書に関する注意点

家の一部を売却する際には、契約書に関する注意点をしっかり理解しておくことが重要です。契約書は売買の内容を明確に示す文書であり、後々のトラブルを避けるために大変重要な役割を果たします。まず第一に、契約書の条項をしっかりと読み、内容を理解することが求められます。特に重要事項説明書との整合性を確認し、契約書に記載された内容が正確であることを確認することで、誤解を避けることができます。

次に、契約書に記載される条件についても注意が必要です。売却価格、支払い方法、引き渡し日、責任の範囲など、具体的な条件を明確にすることで、契約当事者間の義務をはっきりさせることができます。土地の一部を売る場合は、売る土地の地番と面積、分筆登記をいつまでに誰の費用で行うか、境界をどのように確定するか、抵当権をいつまでに外すかも、契約書で確認しておきましょう。未確定の事項やあいまいな表現が含まれていると、後から何が問題となるか分かりませんので、できるだけ具体的に記載することが望ましいです。

また、契約違反に関する条項や、解約条件についても確認が必要です。契約履行ができなくなった場合の対応や違約金についての取り決めは、予期せぬ事態に備えるためにも、詳細に理解しておくべきです。特に解約条件は、放置すると大きなトラブルを引き起こす要因になりかねません。

最後に、契約書の内容を専門家に確認してもらうことも強くお勧めします。不動産取引に精通した弁護士や不動産業者にレビューを依頼することで、自分では気づかないリスクを指摘してもらえるため、安心して契約を進めることができます。契約書は、不動産の売却を成功させるための重要な基盤ですので、注意深く扱うことが大切です。

売却後の生活への影響

家の一部を売却することで、意外な形で生活に影響が及ぶことがあります。売却後の新しい状況に順応するために、あらかじめ心の準備をしておくことが大切です。

敷地が狭くなることによる変化

土地の一部を売ると、敷地が狭くなるだけでなく、売った土地に新しい家が建つことで、暮らしの環境も変わります。

まず確認したいのは、駐車場や車の出入りです。車を停める場所や、道路への出入りに支障が出ないかを確かめておきましょう。売った土地に家が建ったときに、日当たりや窓からの景色がどう変わるかも考えておく必要があります。また、自宅の排水管や水道管が、売る部分の下を通っていないかも確認が必要です。

雪の多い地域では、屋根から下ろした雪や除雪した雪を置く場所が残るかどうかも大切です。冬の雪の置き場がなくなると、毎日の除雪が大きな負担になります。売る範囲を決める前に、冬の暮らしを思い浮かべて確認しておきましょう。

売ったあとに隣地との間で気をつけたいこと

土地の一部を売ると、買主はすぐ隣の所有者になります。売ったあとのトラブルを防ぐために、自宅の屋根やひさし、庭木の枝、塀などが、売る土地にはみ出していないか(越境していないか)を確認しておきましょう。自宅の屋根から、売る土地の側に雪が落ちないかも大切な確認点です。

通路や排水管、水道管などを、売ったあとも買主と共用する場合は、使い方や修理費用の負担を書面で取り決めておきます。越境や配管の問題は、売却前に解消するか、売買契約で取り扱いを決めておくことが大切です。

区分建物として建物の一部を売る場合は、建物の共用部分の管理方法も、管理規約などで決めておく必要があります。

よくある質問

家の一部を売ることについて、よくある疑問をまとめました。

購入希望者が見つからないときの対処法は?

購入希望者が見つからない場合、まずは売却価格の見直しを検討することが重要です。市場の動向を踏まえ、競争力のある価格設定を行うことで、より多くの人々に興味を持ってもらいやすくなります。周辺の類似物件の売却価格を比較し、自分の物件が市場でどのような位置にあるのかを把握することが大切です。

次に、隣の土地の所有者に声をかけてみるのも一つの方法です。隣地の所有者にとっては、土地を広げられる利点があるため、購入を検討してもらえることがあります。特に、道路に接していない土地や形がいびつな土地は、一般の買い手よりも隣地の所有者のほうが活用しやすい場合があります。

さらに、不動産業者との連携を強化することも効果的です。信頼できる不動産業者に相談し、販売戦略を見直すことで、新たな視点やアイデアを得ることができるかもしれません。定期的なフィードバックを受けながら、柔軟に対応を進めることで、購入希望者に巡り合うチャンスが広がるでしょう。

売却の手続きにかかる平均的な期間

土地の一部を売る場合は、家全体を売る場合に比べて、測量と分筆の時間が加わります。測量と境界の確定、分筆登記には、数か月かかることがあります。隣の土地の所有者が遠方に住んでいたり、境界の確認に時間がかかったりすると、さらに長くなることもあります。

売り出してから買主が決まるまでの期間は、土地の場所や条件によって大きく変わります。売買契約から引き渡しまでは、1か月前後が目安です。農地法の許可が必要な場合は、その手続きの期間も加わります。

飯山市周辺では、雪のある時期は測量や現地の確認が難しくなります。冬を挟む場合は、雪解け後の作業を見込んで、余裕を持った計画を立てましょう。

まとめ

ここまでの内容を整理し、家の一部を売るかどうか迷ったときの考え方をまとめます。

重要なポイントのおさらい

・家の一部を売る方法には、土地の一部を分筆して売る、建物の一部を区分建物として売る、共有持分を売る、の3つがある
・現実的なのは、土地の一部を分筆して売る方法。一戸建ての建物の一部だけを売ることは、原則として難しい
・分筆には測量と境界の確定が必要で、費用と時間がかかる
・残る土地と売る土地の両方が、建築基準法などの決まりを満たしているかを確認する
・農地を含む場合は農地法の許可、住宅ローンが残る場合は金融機関の同意が必要
・自宅の敷地の一部だけを売る場合、3,000万円の特例は原則として使えない

迷ったときは早めに相談を

家の一部を売るかどうかは、売れそうな価格だけでなく、残る土地での暮らしや、将来その家を売ったり建て替えたりするときの影響も含めて判断することが大切です。一部だけを売るのが難しい場合は、家全体の売却や、使っていない部分を貸す方法も比べてみましょう。

飯山市周辺で、広い敷地や畑の一部、離れなどの扱いに迷ったときは、なのはな不動産へお気軽にご相談ください。土地家屋調査士や司法書士、税理士への相談が必要な点も、あわせてご案内します。

なのはな不動産
ロゴ
契約過程では法的なリスクを避けるために書類の作成や条件交渉を行い、双方にとって公正な不動産取引が成立するよう長野で支援いたします。また、購入後の登記手続きや税務に関するアドバイスも提供しております。
なのはな不動産

〒389-2253

長野県飯山市飯山1387-5